設計の方から更にMOSトランジスタの駆動能力を上げるように要求がありました。 簡単にはゲートを縮小すると駆動能力は上がります。 当時、MOSトランジスタのゲート長はホットキャリア劣化から寿命を推定してセンター値±〇〇%という規格でした。 製造現場では、まったく同じようにしたリソグラフィプロセス、エッチングプロセス条件下でもウェハ間や同一ウェハでも測定箇所が変わると寸法は変わります。 同一チップ内でどのようなことが起こっているか確認するためリソのエンジニアに頼んで、開発した実製品の同じチップ内のゲート長を測定してもらいました。 同一チップ内の近傍の数百個のトランジスタのゲート長を測ったところ、正規分布に近いようなゲート長バラツキのデータが取れました。 これは、ホットキャリアを考慮して設計した最小ゲート長よりもっと短いものがIC内に存在する確率が0でないことになります。 この後、リングオシレータを作り、これでトランジスタの寿命を見積もろうとしましたがACバイアスを仮定した見積もった結果とは異なり特性変動が起こるはずの加速試験でも特性変動はありませんでした。 この結果から、ゲート長ばらつきが正規分布と仮定し、ゲート長のセンター値を、各寸法での電流と頻度を掛けを積分した値がチップの許容消費電力以下になるように設定しました。この手法は1994年からの高速メモリのデバイス設計に適用しました。 今回はここまで。